雨の傘で妄想を加速させる。妄想キャリブレーション『アンバランスアンブレラ』



妄想キャリブレーションは、でんぱ組を生んだディアステージから生まれたアイドルグループ。メンバーは、6人です。メジャーデビューのタイミングで、楽曲の方向性がEDM中心になりました。

メジャー2枚目のシングル『アンバランスアンブレラ』もEDMとアイドルソングの融合であり、その「アンバランス」さが魅力になっています。カウントダウンや台詞を入れて、親しみやすいEDMに仕上げていますね。メンバーが作詞に参加している曲でもあります。作曲は、DJ'TEKINA//SOMETHING。ニコ動で発表している楽曲や、ベビメタへの楽曲提供で有名な作曲家、ゆよゆっぺの別名義です。



“an an アンバランスアンブレラ
いい子じゃもういられないんだもん
教えて君のパラメーター
ねぇ もっとこっち向いてダーリン”


「anan アンバランス アンブレラ」というリズム感の良さで曲がスタート。最初のフレーズで「アン」の音を4つも入れているんですね。「アンブレラ」は、MVでも登場している傘のこと。

「教えて 君のパラメーター」「限界シュミレーター」という表現がこのグループらしいですね。秋葉原出身のグループだけあり、ゲームでよく使われるパラメーターという単語を入れてきます。パラメーターとは、ゲーム上で変わっていく数値のこと。「君」の自分に対する恋愛数値がどれくらいなのかを教えてほしい、と言っているんですね。

“ひとつの傘にふたりきり
ドキドキするの わたしだけかな?
君の態度に一喜一憂
温度差1:9
妄想だったら 恋愛マスター
リアルじゃヘタレ・・・気づいてよ”


「ひとつの傘にふたりきり」というシチュエーションを表すフレーズが登場します。一緒の傘に入ってドキドキする感情を「アンバランス」と表現している曲。

続いて「妄想だったら恋愛マスター」というフレーズが登場。グループ名の「妄想」という単語をここに入れてきます。妄想キャリブレーションは、「夢に向かって妄想する」グループ。妄想なら、どこまでも行けます。だから、いくらでも恋愛マスターになれますが、リアルではヘタレ。そういう微妙な感情に気付いてほしい、と歌っています。グループ名を入れつつ、曲のストーリーを説明しているんですね。

“an an アンバランスアンブレラ
この雨が止む前に
bye bye ツンデレなシンデレラ
素直になるから ぎゅっとしてちょーだい!”


「ツンデレなシンデレラ」という表現も良いですね。語感が良く、ツンデレな態度をとりながらもシンデレラ願望がある、という微妙な心理をダイレクトに表現しています。

「もっとこっち向いてダーリン」は、「もっとそばに来てダーリン」に変化し、最終的にはもっと直接的に「ぎゅっとしてちょーだい!」になりました。妄想が進んでいき、気持ちがどんどん高ぶっていくのを、歌詞の段階変化で表現しているんですね。台詞も後半から増えていき、最後の「素直になるから」も台詞で表現。直にうったえています。この終盤で、台詞が入ることで、ラストの「ぎゅっとしてちょーだい!」の印象を強くしているんですね。

インディーズ時代の楽曲がオーソドックスなアイドル曲が多かったこともあり、このEDMの方向性は、ファンから必ずしも歓迎されているわけではありません。しかし、EDMでも別のジャンルでも、どんな曲調であれ自分達のものにしていくのが、このグループの魅力です。まだまだこのグループは発展途上。この先どうなっていくのかは分かりません。今は、この過渡期の「アンバランスさ」こそが、このグループの魅力だとも言えますね。




TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

全心全力体当たりで名古屋へ遠征中! N…

12歳の年齢差も武器に!!夏のアイドル…