このメンバーでしか出せないビートを。モーニング娘。’16『泡沫サタデーナイト!』



モーニング娘。は長い歴史を持つグループ。2017年には、2人の新メンバーを加えて、モーニング娘。‘17として新たにスタートしました。そんなこのグループの2016年の代表曲とも言えるのが『泡沫サタデーナイト!』。この曲は、ぽっちゃり体型で有名だったズッキこと鈴木香音の卒業シングル。作詞作曲は、赤い公園の津野米咲が担当しています。



“踊りたい!
誰も彼もが日本の主役だ”


黄金期を彷彿とさせる明るい曲調。歌詞もかつてのモー娘。を彷彿とさせるものがあります。たとえば「誰も彼もが日本の主役だ」という歌詞は、かつての大ヒット曲『LOVEマシーン』における「日本の未来は(Wow Wow Wow Wow)世界がうらやむ(Yeah Yeah Yeah Yeah)」を連想させます。日本を明るくしよう!という歌詞を、時が経っても引き継いでいるんですね。マツコ・デラックスは、モーニング娘。の楽曲に関して「なぜかちょっと日本を背負ってる感のある歌詞」と表現していますが、この曲も見事にその日本を背負ってる感が出ているのです。

“私だけにしかきっと踊れない
そんなビートがある”


曲の比較的序盤に出てくるこの歌詞は、9期の生田と10期の工藤が担当しています。この2人は、13期まで加えた現在のメンバーの中ではもうベテランにあたりますが、歌割が少なめな2人です。そんな2人が、それでも頑張って「私だけにしかきっと踊れない」と歌うことに意味があるんですね。

モーニング娘。は歴史が長いグループです。現在のメンバーは、黄金期と呼ばれた頃のメンバーに比べると知名度が低いと言わざるをえません。そして、現在はアイドルが乱立している時代。同時代の他のアイドルグループとも常に比較されているのです。生田衣梨奈に関しては、ネットで「いくたえり」と検索しても、乃木坂の人気メンバーである生田絵梨花のほうが出てきてしまいます。歌も乃木坂の生田のほうが、はるかに上手いです。でも、モー娘。生田は、この人しか出せない魅力があります。そんなモー娘。の生田が、人気はあるけれどもいまいち歌割が少なかった工藤と「私だけにしかきっと踊れない」と歌うところに、ある種の説得力があるんですね。

“血眼になってつなぎ止めても
やっぱ薄くて軽い”


たとえばこの歌詞。スマートフォンにおける既読スルーをうけています。既読スルーのような行為はご法度だとされているけれども、こういうツールに頼り過ぎるような関係は「薄くて軽い」。この「薄くて軽い」をメンバーの中でも特にやせている飯窪と尾形が歌うことで、身体の薄さをかけているんですね。この2人は、生田や工藤よりもさらに歌割が少ない2人。そういうメンバーにも印象的な見せ場を作っているのです。

“本来の心がうずいてる
Do it dance!”


「Do it dance!」というサビ終わりの歌詞。ここも黄金期の曲『Do it!!Now』のタイトルを連想させますね。1番サビラストの見せ場「本来の心がうずいてる」の歌割は佐藤です。常に落ち着きがなく、文字通りうずいてる佐藤は、AKBの指原が推しメンとアピールしてくれたこともあり、ここ一年で一気に人気メンバーに駆け上がりました。そんな佐藤自身の勢いが、曲に勢いを与えています。

“ハーイ!そこの兄ちゃん姉ちゃん!
よってらっしゃいみてらっしゃい!
ねえ、知ってた?この曲、あと58秒で
終わっちゃうんだって! 「えーっ?」
しけた顔しちゃもったいないもったいない!
この際一緒に踊っちゃお!”


曲終盤のMCは、MVでは鈴木のパート。鈴木の卒業後は、公演ごとにメンバーが交代で担当しています。鈴木は、明るい表情で場をなごませていたものの、その体型が批判されることも多かったメンバーです。しかし、最後にこの曲を引きよせました。MVのラストではDJ鈴木の背後が爆発します。この曲は、鈴木がいたからこそ面白くなったと言えるでしょう。

まさに「私だけにしかきっと踊れないそんなビートがある」という歌詞どおり、現在のメンバーだからこそ生まれた曲です。このグループは、メンバーが変わりながらも、常に新しい魅力を持っているんですね。



TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)

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