乃木坂46の3rdアルバム『生まれてから初めて見た夢』からソロ曲に共通する親和性を読む

2017年5月24日に通算三枚目となるアルバム『生まれてから初めて見た夢』を発売した。シングル曲の「裸足でSummer」「サヨナラの意味」「インフルエンサー」などの曲の他にそのカップリング曲、そして初収録曲で構成されている。今回はアルバムレビューという形ではないために、全曲をまんべんなく網羅することは困難なのであるテーマに従って楽曲を見ていきたい。

2017年8月13日


この記事の目次
  1. ・白石麻衣のソロ曲『オフショアガール』
  2. ・齋藤飛鳥の『硬い殻のように抱きしめたい』
  3. ・橋本奈々未のソロ曲『ないものねだり』
  4. ・乃木坂46 最新情報
  5. ・CDアルバム情報
  6. ・CDシングル情報
  7. ・乃木坂46 Profile
テーマとしては、乃木坂46のソロ曲はメンバーの個性や強みを最大限に生かすことができる工夫が行われているおり、まさにソロ曲には親和性が見える。そこでそれらの親和性を見ていくために3rdアルバム『生まれてから初めて見た夢』から白石麻衣のソロ曲「オフショアガール」と齋藤飛鳥「硬い殻のように抱きしめたい」、そして橋本奈々未「ないものねだり」の三曲を取り上げることとし、親和性というひとつのテーマにそって考えていきたい。

白石麻衣のソロ曲『オフショアガール』

まずは、白石麻衣のソロ曲である『オフショアガール』。

この曲は15枚目シングル『裸足でSummer』に収録されており、表題曲同様夏らしさを前面に押し出した爽やかな楽曲。歌詞には「パドリング」や「サーファーガール」といった夏の海を連想させる言葉が使われている。「オフショア」とは、沖合のまたは海外のといった意味の形容詞。このタイトルがまさに白石麻衣のイメージを物語る。


オフショアガール
夏のマドンナ
僕らの前を通り過ぎてく
そう君に恋をしてる
オフショアガール
髪を束ねて
白い砂浜を横切って 今
海へと帰るマーメイド
(パドリング イェイ!)
(パドリング イェイ!)
(パドリング パドリング オーイェイ!テイクオフ!)



白石麻衣と言えば、2nd写真集『パスポート』が21万部(2017年5月15日時点)という売り上げを記録するなど活躍の場をアイドル以外にも広げている。また、女子大生が選んだ“なりたい顔のアイドルランキング”でも一位を獲得し乃木坂46内でも屈指の美形キャラとして知られている。

実際に乃木坂46のファンではなくとも、白石麻衣だけは知っている人も多いのではないだろうか。言ってしまえば、アイドルらしくない存在である。しかし、乃木坂46の洗練されたイメージを語るには欠かせない人物のひとりだ。

海に遊びに来た僕が偶然やってきた君に一目惚れをする。君のことを僕は何も知らない。君のことをもっと知りたいけど、まるでマーメイドのような存在の君と僕の距離は一向に縮まらない。歌詞の内容を要約するとこんな感じになる。引用した歌詞にある「夏のマドンナ」だけでなく、二番のサビには「夢のヒロイン」なんて言葉で表現されていて、白石麻衣の美しさをまさに象徴している歌詞になっている。

マドンナのような存在でありながら、男なら誰もが羨むような女の主人公のような君。また、マーメイドのような存在だとも言う。マーメイドは、不吉な存在として描かれることが多い存在。元はハンス・クリスチャン・アンデルセン作の『人魚姫』から、叶わぬ恋の象徴としても形容されるようになったそう。まさにここではその象徴として描かれている。

そして、「オフショアガール」とは沖の女の子、海外の女の子という意味。白石麻衣のソロ曲であることを鑑みれば、ここから心理的な距離と外国人のような顔立ちを推測させる。
夢のヒロインと言うくらいであるから、男の子は君に振り向いてもらえるだろうとは思っていないはずだ。これが心理的な距離感。外国人のような顔立ちは言うまでもなく、日本人離れした美しさを表す。オフショアという言葉自体が白石麻衣を的確に言い表していることが分かる。


齋藤飛鳥の『硬い殻のように抱きしめたい』

次に紹介するのは、齋藤飛鳥の『硬い殻のように抱きしめたい』だ。同曲で齋藤は初のソロ曲を歌っている。


「何だか疲れちゃった」
珍しく弱音を言った
君らしくない君だから
黙ってそばにいてあげる

何があったかなんて
聞いたって何もできない
涙を流してくれたら
今より君は楽なのにな



齋藤飛鳥は、乃木坂46の1期生の中で最年少のメンバーであり、母親がミャンマー人のハーフである。『Ray』の専属モデルの白石同様、女性ファッション誌『CUTiE』の専属モデルやソロ写真集を発売するなどしている。

『裸足でSummer』でセンターに選出されて以降世代交代の波もあり、乃木坂46の未来を背負う担い手としても期待されていることだろう。そんな齋藤だが、彼女自身人と話すのが苦手と公言しており、感情を表に出すのが苦手なタイプとのこと。この曲は齋藤の感情を汲み取るかのように、言葉として表現されている。

「何だか疲れちゃった」と弱音を言うことが君らしくない、つまり君は感情を表現することがめったにないことを伝えている。そんな君だからこそ余計に心配にさせる。具体的に弱音の内容を伝えてくれたなら対処のしようがあるけれど、そうもいかないことが涙を流すという具体的行為から読み取れる。

最年少メンバーということもあり、結成当初から次世代などと言われてきた。乃木坂46が大きくなるにつれ、もちろんプレッシャーを感じる場面も少なくなかったはず。そんな最中ついに15枚目シングル『裸足でSummer』のセンターに選ばれることとなる。このシングルでは乃木坂の顔として迎えられる。齋藤本人がどう感じたのかは分からないが、重圧が大きかったのではないかと推測する。このような状況下で、作られた楽曲がこの『硬い殻のように抱きしめたい』なのではないだろうか。

僕にできることは
世界の誰よりも
強い力で君のすべてを
ただ抱きしめることだ

気の利いた言葉なんて
思いつかないけど
君のために硬い殻になって
悲しみから守り抜こう
僕が硬い殻になろう


これらを踏まえてみていくと、この君の力になりたいという僕という存在に当てはめられるのはファンである。ファンならば僕らとすべきではないかという意見もあるかもしれないが、ここでは僕が適当なのだ。それはつまり、ファンという集団としてではなく、齋藤飛鳥のファン各々が強調されているのだから。

センターとして乃木坂を背負うことは代償を伴う。周囲からの批判などもそれにあたる。それらから守ることが出来るのはファンひとりひとりなのである。

橋本奈々未のソロ曲『ないものねだり』

最後は、橋本奈々未のソロ曲『ないものねだり』。言うまでもなくこの曲を最後に橋本奈々未は芸能界を引退することになる。


ゆっくりと過ぎる時間が
心を癒してくれるの
慌ただしい日常の中
一人でいるのが好きになった


橋本奈々未は芸能界に入った理由として、金銭的な事情を挙げている。アイドルになる理由は人それぞれだが、金銭的な問題を理由として話すアイドルは見たことがない。お金のために芸能界を目指すこと自体はまったく問題ないと私は思っている。むしろ、下手に隠すより全然清々しい。大抵こういう汚い話は隠すものである。

「ゆっくりと過ぎる時間」と「慌ただしい日常」という対比で構成されている。前者、芸能界から離れた普通の生活であり、後者は芸能界を意味する。普通の生活は、芸能界に比べたら時間に縛られることも、他者の目を気にすることもなくなり自分の時間を生きることができる。

反対に芸能界では乃木坂ほどのグループとなるとスケージュールも半年先まで埋まっている状況で落ち着ける時間はない。本当は普段の生活に憧れはあるけれど、、先程述べた金銭の問題から戻れない葛藤が読み取れる。ここからの逃避行としての本を読むという行為。両者を冷静にみている橋本を模しているような歌詞。

なぜ 人は誰も
目の前にある この幸せだけで
今日を生きられないの?
もう充分でしょう
私 ないものねだりしたくない


ここの歌詞は、橋本奈々未が芸能界を公表した後の心境を物語っている。目の前にあるこの幸せとは芸能界で感じられるプラスの側面だと言える。芸能界は落ち着けないと書いたがそれはマイナスの側面のひとつであり芸能界にも良いところは多くある。ここでは普通の生活に戻ることに憧れていた橋本だが、いざ引退を決意するとなると芸能界のプラスの側面を逆に望むようになってしまうという現象を表している。

芸能人と一般人の両立が不可能だが、片方を望めばもう片方(実現不可能なこと)を無理に欲しくなってしまう。まさにないものねだり状態である。もう一般人として生きることを決めた、誓いの歌とも取れよう。




乃木坂46のソロ曲はメンバー個々の背景などを取り入れ、メンバーとの親和性があることは分かってもらえたのではないだろうか。アイドルでありながらリアリスティックな一面を歌詞に反映させる試みは面白い。


アイドルはロマンチストの側面ばかり持ち合わせているわけではないのである。乃木坂46という存在は、現実主義的で夢想家な存在である。

乃木坂46 最新情報

CDアルバム情報

乃木坂46アンダーアルバム「タイトル未定」2018年1月10日(水)発売
【初回生産限定盤】(2CD+DVD)
品番:SRCL-9630〜9632
価格:6,018円(税抜)
<特典>
・DVD特典(特典映像の内容は、追って発表させて頂きます。)
・豪華三方背デジパック トールケース仕様
・豪華フォトブックレット付き

【初回仕様限定盤】(2CD+DVD)
品番:SRCL-9633〜9635
価格:5,556円(税抜)
<特典>
・DVD特典(特典映像の内容は、追って発表させて頂きます。)
・三方背BOX仕様
・フォトブックレット付き

【通常盤】(2CD)
品番:SRCL-9636〜9637
価格:3,241円(税抜)

CDシングル情報

■乃木坂46 19thシングル「いつかできるから今日できる」(9月22日公開映画「あさひなぐ」主題歌)
2017年10月11日(水)発売
▼通常盤 ※CDのみ
M1:「いつかできるから今日できる」
M2:「不眠症」
M3:「新しい花粉 〜ミュージカル「見知らぬ世界」より〜」
M4:「いつかできるから今日できる」〜off vocal ver.〜
M5:「不眠症」〜off vocal ver.〜
M6:「新しい花粉 〜ミュージカル「見知らぬ世界」より〜」〜off vocal ver.〜
品番:SRCL-9580 価格:972円(税抜)

乃木坂46 Profile

乃木坂46公式サイト
http://www.nogizaka46.com/

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