レキシ池田貴史楽曲提供『なないろ』。新体制となった私立恵比寿中学が架ける、七色の虹。

私立恵比寿中学(通称エビ中)は、ももいろクローバーZの妹分として、所属事務所であるスターダストプロモーションのタレントにより2009年に結成された“永遠に中学生”をコンセプトとするアイドルグループ。全員に出席番号が割り振られているのが特徴。

2017年8月28日


この記事の目次
  1. ・なないろ MVについて
  2. ・レキシ池田貴史楽曲提供『なないろ』
  3. ・なないろという楽曲についてのまとめ
幾度かのメンバーチェンジを経て、現メンバーは、真山りか(出席番号3番)・安本彩花(出席番号5番)・廣田あいか(出席番号6番)・星名美怜(出席番号7番)・柏木ひなた(出席番号10番)・小林歌穂(出席番号11番)・中山莉子(出席番号12番)の7人組となる。

彼女達にとっても、ファンにとっても決して忘れてはならない衝撃的な出来事について少し触れておこう。この曲を語るには必要な事なので、敢えて触れさせて貰いたい。

記憶に新しい、2017年2月8日。2010年からエビ中のメンバーとして一緒に活動していた松野莉奈が、弱冠18歳という若過ぎる生涯に幕を閉じた。
彼女を突然失った悲しみと絶望感を乗り越えながら、必死に笑顔で頑張ってきた残りの7人。
最近まで目立った活動はして来なかったが、2017年5月31日に4枚目となるアルバム「エビクラシー」を発売し、見事オリコン初登場1位という快挙を成し遂げた。

そのアルバムの、リードトラックとして最初に発表されたのが『なないろ』であった。


楽曲提供は、レキシというバンドでお馴染みの、池ちゃんこと池田貴史である。
ユーモアな言葉のセンスとファンクのテイストを織り交ぜた音楽センスが光る、池田が作り出す楽曲の数々は、音楽業界の中でも賞賛の声が上がる程に高い評価を得ている。

既にエビ中の楽曲提供を何曲かしてきた池田が、“ここで止まって欲しくない”というグループに対する思いを詰め込んだ、愛のある作品なのだ。余談にはなるが、この『なないろ』というタイトル。メンバーの人数、虹。の他にも共通するものがあり、亡くなった松野莉奈の誕生日が7月16日という事。これはただの偶然なのか。

なないろ MVについて



ここでMVについても少し触れたいと思う。
青空の下、広い芝生の上で笑顔を振りまき仲睦まじくはしゃぐ7人。変則的に衣装の色が七色に変わったり、大きな花束の中で歌うという華やかな演出が施されている。突然失った彼女の事を思い起こさせる青色の衣装を纏っているメンバー。青空を見上げ、遠い遥か彼方に思いを馳せる表情。キラキラと美しく、どこか儚いメンバーの姿が映っている。
このMVで何度も出てくるガーベラの花。実は、亡くなった松野が、生前大好きだった花なのである。所狭しに松野莉奈の要素がいっぱい詰まったMVを是非観て頂きたい。


レキシ池田貴史楽曲提供『なないろ』



曲のメインテーマは“ピュアな恋心”。
アイドルらしいテーマに設定しながらも、要所要所に松野莉奈へのメッセージが込められている。
キラキラとした歌い出しから始まり、主張の強いストロングスのイントロ、細かく刻まれたベースとドラムのビートのみのAメロ。J-POPでありがちのリズム(よくある“ドン、ドドン、パ”)のBメロから一気に開き駆け抜けるサビ。

アイドルソングでは王道パターンの曲構成ではあるが、サビの部分で最後のフレーズの前に、マイナーコードに変わる事で、更にドラマチックに演出されている。歌詞の中で説明すると「見上げたら青い空」に当たるメロディラインの部分だ。この構成になると更にグッとくる。
歌詞を紐解く前に補足として、松野莉奈のイメージカラーが“青色”だったという事を頭に入れておくと、この歌詞にどれだけのメンバー愛が詰まっているのか感じる事ができると思うので、お伝えしておく。

――――
はじまりはキラキラ この恋はセブンカラー
止まらない気持ち キミが教えてくれた
――――
この歌詞はイントロ、1番サビ、2番サビ、ラスサビと全てに使われており、
“はじまりはキラキラ”というフレーズに繋がっているのは、

イントロとラスサビ→「見上げたら青い空」
Aメロ→「この恋はなないろ」
Bメロ→「思い出はなないろ」

という3パターンが使われている。
1番でのイメージは文字通り恋で、ここに出てくる“なないろ”は、恋をしている相手と恋をしている自分自身の姿が見えてくる。
2番でのイメージは文字通り思い出で、“なないろ”は、いままでのふたりの時間を振り返りながら、恋だけではなく、彼女達の事にも当てはまってくる。
2番になって急にリアリティな部分が見え隠れし、心配してくれているファンへの気持ちに対して、もう大丈夫だよ!と不安にさせないように明るく振舞っているように感じる。




――――
ねぇ今キミがくちずさんだ その歌の色は何色ですか?
ねぇ今も空を見ていた キミが笑った気がしたから
――――
これは2番に出てくる歌詞で、ここまでくると包み隠さず、“キミ”は亡くなった彼女に対しての思いのほうが強く伝わってくる。姿はもう見えなくても、心の中ではしっかりと生きているのだ。一時は、大きなショックを受け、仕事どころでは無かったが、

空から見守ってくれている彼女の事を思うと走り続けていかないといけない。
そうしないと彼女に怒られてしまうから。

という気持ちの表れだと思う部分。空を見上げると故人の顔を思い出し、何故だか安心してしまうのは、彼女達も同じという事を想像して送ったフレーズだと憶測してみる。

――――
会いたくて 会いたくて キミの名前呼んだよ
――――
ラスサビ前に涙を誘う憎い演出。そこからラストに向け、笑顔で歌い踊る姿にまた感極まる。
アイドルスマイルが突如消え、悲しい表情に切り替わる画が頭から離れない。
恋をしていた相手への気持ちは、まだどこかで元気にやっていると願う刹那さがあり、
彼女を思う気持ちは、もう同じ場所では会えない尊い儚さが伝わってくる。


なないろという楽曲についてのまとめ

“ピュアな恋心”をメインテーマに、そして“松野莉奈への想い”をサブテーマに描かれた『なないろ』。必ずこの先も愛され続け、新たなスタートを歩み始めたエビ中と共に成長していく楽曲だと言える。日本中に衝撃が走り、儚く散ったアイドルの命。どこにいっても何を考えていても、この事実から逃れる事は出来ない。この辛さを乗り越え、強くなった私立恵比寿中学は無敵だ。『なないろ』のダンスの秘密を最後にお話しさせて頂きたい。
それは、サビの歌詞に登場する「止まらない恋はなないろ」の“なないろ”に合わせた、虹のアーチをイメージさせる振り付けの部分だ。メンバーの手の動きに注目すると、数字の7を指で作って表現している。

ここに隠されたメッセージが込められており、この7に見える仕草は、手話で“りな”を意味するもので、普段でも動画などでメンバーが気に入って使っている仕草の一つ。

“りな”とは、松野莉奈の事で、ファンの間で話題となったエピソードである。
彼女の想いを強く胸に秘め、鮮やかに彩る“なないろの虹”を見守って行こうと思う。

松下ゆっこ


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