こぶしファクトリーになにがあろうとブレない真っ直ぐな軸となったファーストアルバム

2018年こぶしファクトリーは5人で新たなスタートを切る。メンバーの変化があった2017年を超えて、その変動を受け止めるのは簡単なことではないはずだが、現メンバーの5人はその大変さを一切見せはしない。あくまでプロのアイドルであり続ける。その凛とした姿勢に圧倒される。5人の強さはどこからくるのか。このファースト・アルバム「辛夷其ノ壱」にその秘密が隠されている。

2018年5月6日


この記事の目次
  1. ・チョット愚直に! 猪突猛進
  2. ・残心
  3. ・桜ナイトフィーバー
  4. ・辛夷の花
  5. ・おわりに

チョット愚直に! 猪突猛進



ヒャダインこと前山田健一作詞作曲のセカンドシングル表題曲。

ハロプロには欠かせないアレンジャーの鈴木俊介が編曲を手掛け、コミカルな振り付けもあいまって痛快なアイドルファンクを体現する。

ハロプロ特有のがなりを巧みに入れ込み、聞かせどころに溢れたかなり欲張りな演出はヒャダインのなせる技。

それでいて決してお遊びにならず、こぶしファクトリーのメンバーの愛すべき愚直さをストレートに描いた歌詞が、見事にハマっている。

猪突猛進というガツガツしたテーマをアイドルのプロとして、ハロプロという老舗アイドル稼業の一員として、しっかり可愛さを交えて品よく表現できるのがこぶしファクトリーの絶妙な愛され力である。

爽やかでありながら一途に真っ直ぐに己を貫く。それがこぶしファクトリーの行く道なのだ。

残心



今やハロプロの楽曲を支える支柱的作家となった星部ショウ手掛ける青春ナンバー。

℃-uteのラストコンサートでも、ももちこと嗣永桃子の卒業コンサートでもオープニングアクトで歌われ、卒業ソングの新定番となりそうな「先輩」へ送る歌 である。

懐かしいような昭和感漂うテイストの中、弓道の道場というかなり限定されたシチュエーションで話が展開するものの、どの世代にも刺さる熱くシンプルなメッセージ性を貫いている。

全員がハロプロ研修生出身のこぶしファクトリー。

その道筋の先にはいつも偉大なハロプロの先輩方の背中があり、だからこそそこに引っ張られるようにまっすぐに己を磨いてこれた。

現在5人での新たな歩みを刻み始めた彼女たちの失われない真っ直ぐな視線はいつもこの歌詞の先輩を追いかけるように凛としてぶれることはない。

桜ナイトフィーバー



まるでこぶしファクトリーのために宛書されたようにはまっているものの、もとは同じアップフロントのミュージシャンKANのシングル曲である。

日本の歌謡界のド定番となった“桜ソング”のあり方に一石を投じる“桜目線”のこの歌。

なんだか大切なことを忘れて花見だ酒だと浮かれる大人たちを冷めた目で見つめるようなスタンスがこぶしファクトリーが歌うことによってさらに、“大人ってやれやれ・・・”といったような実感がこもってくる。

是非KANによる原曲とも聴き比べて見てほしい。

井上玲音が歌う「なぜに なぜ?」のパートなどは、もとから井上に歌わせるために作られたかのようにハマっている。

そしてなんといっても、こぶしファクトリーにばっちりと当てはめ、さらに可愛さやフレッシュさを足してくる編曲のダンス☆マンの手腕がまたお見事である。

ハロプロの春の定番イベント「ひなフェス」でもテーマソングのように会場を沸かせる。

ハロプロ研修生らしい勢いもあり、とことんやりきるこぶしファクトリーだからこそ表現できたこの世界観。

堂々の桜ソングとして、ぜひとも歌い継がれてほしい。

辛夷の花



まさにこぶしファクトリーのための歌だ。作詞作曲は星部ショウ。

「真っ直ぐ」という言葉が力強く繰り返される。

“派手な花ではないけれど”
“さり気なくって 欠かせなくって そんな人になろう”


など、こぶしファクトリーの生き様とぴたりと重なるような歌詞が散りばめられている。

例えばハロプロにはモーニング娘。という大看板がある。アイドル業界には坂道系の勢いがある。

そんな中いきなり派手な活躍はできないかもしれない。その存在を認めてもらうまでには、時間がかかるかもしれない。

けれどもこぶしファクトリーとして、いつでも“真っ直ぐ”ひたむきに進み続ける。

耐え忍んだ冬のあとで精一杯咲かせるその花は、きっと同じように一筋縄ではいかない道で迷う人を照らせるだろう。

そんな希望の歌は、なにがあっても倒れない、こぶしファクトリーの現メンバー5人の凛とした姿勢に合致する。

おわりに

自分たちに吹く風向きがどうであろうと、迷わず真っ直ぐ前を向き続ける。

悔しさは訴えるのではなく、これから先の道で乗り越える。

ぎゅっと、心の中に握ったこぶしにどんな誓いを掲げたのだろう。

弱さを見せない意地が彼女たちをさらに輝かせていく。

決して折れない辛夷の花は、自力で咲き誇ろうとしている。

そう、こぶしファクトリーはこれからだ。

(了)

TEXT:阿璃守

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